2-23 鄯善・砂丘公園 9/2
2018年 12月 07日
長い坂を下って、鄯善(シャンシャン)料金所に着いた。ここはトルファン盆地の一番東のオアシス都市である。鄯善という地名は、唐の時代に楼蘭国が内紛を起こした時、唐が王族の一人をたてて傀儡政権としたその時の国名である。
写真はガソリンの補給をしているところである。新疆に入るとガソリンスタンドの数も少なくなる。サポートカーにガソリンのタンクを積んで、このように小分けして給油しないと、オフロードバイクの小さなタンクではすぐガス欠になってしまうのである。
シルクロードの周辺は大概がこのような土漠である。NHKの「シルクロード」オープニングでは砂漠を駱駝が歩いているところから始まるが、現代の幹線道路は砂山を越えなければならないようなところを走っているわけではない。大体が砂漠の真ん中ではなく、山の端を通っている。
敦煌博物館の学芸員が教えてくれたように、万里の長城同様に水場を繋いでいるとすると、極度の乾燥地帯というわけではなく、周辺はせいぜい土漠までの風景ということになる。中東でも、かなり内陸に行かないと山のような砂丘に出会うことはできない。ただし、西域南道と呼ばれる敦煌からホータン方面に抜ける道は乾燥化が進んで砂丘があるらしい。しかし、地図を見るとこの地域の道路は途中で切れており、廃道になっているようである。
バイク乗りにとっては公園かどうかはどうでもいいことであって、このように遮るもののない空間を走れるかどうかが問題なのである。ここはバイクで走ってもいいです、と言われたので皆欣喜して砂に突っ込んでいった。しかし、ここは走ることができない。砂が柔らかすぎるのである。カーブを切ろうと少しでもスピードを緩めると、ハンドルを取られて立ち往生してしまう。
日本でも海岸で砂の吹き溜まりは深いところまで締まりのない砂地となるが、それがここでは一面同じ状況である。このような場所はスピードを出して、飛ぶように走らないとすぐにタイヤが沈み込んでしまう。基本125ccのこのバイクでは、トルクが出ないのでかなり苦しい。メンバーの何人かが試みてみたが、皆すぐに立ち往生してしまった。このバイクとこのメンバーで砂漠に乗り出したら、八甲田山の雪中行軍同様、皆砂の中で動けなくなり多分全滅であろう。
一人だけ嬉々として走り回っているメンバーがいた。相当な技量である。バイクで砂漠を走るというのは、相当無謀な行為であることが分かった。
by chukocb400sb
| 2018-12-07 04:46
| 2 敦煌からウルムチ
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