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2-31 柴窝堡・辣子鶏 (ラーズージー)  9/4

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柴窝堡(ツァイオープー)という町で昼食となる。ここの辣子鶏 (ラーズージー)という辛い鶏料理はたいへん有名であるらしい。ウルムチまで40kmあるが、ここまでわざわざ食べに来る人がいるということである。


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鶏をぶつ切りにして、野菜などと唐辛子で炒めた料理である。元来は四川省の料理ということらしい。去年のツアーで大盤鶏(ダイバンジー)という煮込み料理に出会ったが、煮込みの中から出てきた首を切られた鶏と目が合って箸がつけられなかった。目を見た瞬間、鶏にも独立した人格があったのではと思ってしまったのであった。

笑うことができるか、諸君。ケンタッキーフライドチキンで、もも肉のから揚げと一緒にトサカの付いた目の黒い鶏の首のから揚げが出てきたとして、おいしいと言いつつ笑いながら食うことができるか。もし自分の娘が、そのような鶏の首のから揚げを友達と笑いながら食べているのを見て、親として静謐な気持ちでいられるであろうか。

此処での料理も調理方法は違うが、食材として鶏を丸ごとぶつ切りにしてお頭付きで出すこと言う点では同じである。今回は食べない訳にはいかないだろうと、去年同行したメンバーがプレッシャーをかけてくる。箸で皿を探ってみたが、幸いなことにお頭らしき物は見当たらない。良かった。今回は何の問題もなく箸をつけることができた。食べてみると美味い。辛いが美味い。淡白なビールによく合う。白いご飯があればさらにいいのだが、こちらでは饅頭である。ふかしたての饅頭もなかなかこの料理に合う。


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外に出ると、鶏を満載したトラックが停まっていた。これが皆、次にまみえる時は皿の上でということになる。トラック専用の運搬用の檻まである。ということは、相当な数の鶏が相当な頻度でここの街に運び込まれて来るということだろう。


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向かいの店先では羊をさばいていた。地面の上に皮を広げ、その上に肉と臓物をきれいに分けている。見ていると、ナイフ一本で要領よくさばいている。自分たちの同朋があられもない姿になっているにも関わらず、その向こうでは何頭かの羊が餌を食べるのに夢中である。お前たち、それでいいのかと投げた言葉はそのまま跳ね返ってこちらにも刺さっているのかもしれない。


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ここは典型的な街道沿いの街である。脇道などではなく国道本線である。道の両側には広い駐車場が広がる。大型トラックが楽に停車できるスペースである。その向こうに食堂や雑貨店、自動車の修理屋が並ぶ。料理は動物を捌くところから、車の修理は止めたところで、その一部始終が目の前で行われることが多く、物事の仕組みがたいへんわかりやすい場所である。




by chukocb400sb | 2019-02-01 05:02 | 2 敦煌からウルムチ | Comments(0)

この旅行記は、シルクロードを西安からベネツィアまでレンタル・オートバイのパックツアーを乗り継ぎ、17年かけて走ってきた記録である。


by 山田 英司