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2-20 紅山口・昼食     9/2

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昼ごろ、ドライブインに到着し昼食をとる。紅山口という地名が地図では近く出ている。哈密からは192kmの地点である。上の写真は哈密から走って来た道である。左に曲がると北上して天山山脈の麓に至る。

ここはコンクリートと日干し煉瓦でできた建物が数件あるだけである。昼食は、例によって麺を打つところから始まるので、結局1時間半休憩することになる。なぜかウェイトレスが派手な服を着て、妙に化粧が濃く、おまけにハイヒールを履いている。このような場所で違和感このうえないが、いろいろ事情があるのだろう。

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食堂の裏に回ると、パラボラアンテナがあった。衛星放送が受信できるのだろう。電気はどうしているかというと、ソーラーパネルが塀の中に設置されている。最初の写真で、ほとんど映っていないが、左の構造物がそれである。夜間はどのようにしているのかわからないが、このような町から何百キロも離れた孤立した土地では最適な電源であろう。

年間の日照時間は日本のほぼ倍で、ほとんど毎日晴れている。パネルは土地が広いので離れた場所の地表に直接設置され、保護のために周囲を塀で囲んでいる。送電ケーブルは地中と思われる。設置場所や施工で悩むことはなさそうだ。土漠の真ん中でソーラーパネルと何かの設備の組み合わせはよく見かけた。


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さらに、水道施設らしきものがあった。レンガの塀の上にガラスが植えられている。何やら物々しい雰囲気である。看板に、「水池があるので大小便禁止・違反者は罰金50元」と書いてある。

このような看板があるということはその様な行為をする者がいるということなのであろう。中には池らしきものはない。地下水をくみ上げる井戸のような施設なのだろうか。このような土地で、飲料水の安全衛生の確保は死活問題であろう。

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北側の山は天山山脈の一部である。その手前一段低くなったところには昔湖があったようだ。昔はこの湖の北側がメインルートだったようである。湖の北には七角井という村がある。この村から北へ抜けると、モンゴルまたはロシアに至る。抗日戦争の時はソ連からの支援ルートの要衝だったようである。

湖は干上がってアルカリ性の土壌になったようである。地図には「solt evaporator」(塩の蒸発乾燥設備)があると書いてある。グーグルマップで見ると、干上がった湖の底には巨大な塩田があった。七角井という村はこの塩を利用して、食塩工場を建設し塩産業を発展させ化学工場も建設したとある。このような一見不毛の地に、干上がった湖の後の塩を利用して生計を立てるとは、ここに住む人々はなかなかのしたたか者である。




by chukocb400sb | 2018-11-16 04:40 | 2 敦煌からウルムチ | Comments(0)

この旅行記は、シルクロードを西安からベネツィアまでレンタル・オートバイのパックツアーを乗り継ぎ、17年かけて走ってきた記録である。


by 山田 英司