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2-33 ボゴダ山・オフロード  9/4

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柴窝堡からウルムチまで幹線道路を走れば50kmくらいしかない。今日は日程に余裕がある。幹線を外れて北の山の中のオフロードを走ることになった。山の中を大回りしてウルムチに至る道である。この山地は天山山脈の支脈、ボゴダ山の一角である。今回のツアーでこれだけ長い距離のオフロードを走るのは初めてである。山の中とはいいながら、緩やかな丘陵地帯を縫うようにして平坦な未舗装路が続いている。路面は砂利道であるが、ガレ場ではない。よく踏み固められていて走りやすい。見通しのきく緩やかなワインディングロードが続いている。時々広々とした草原に出る。

この125ccのいバイクは幹線道路をフルスロットルで走るには少々きつい。しかし、このような踏み固められたオフロードを走るには軽くて手ごろなバイクである。緩やかな曲がり道を砂埃をあげながら走る。路面から伝わってくる振動が、自分にとってのバイクとはこういうものなのだ、ということを思い起こさせてくれる。緩やかな起伏のある見晴らしのいい草原の中を走る感覚は、子供のころ、丘のある広い公園で両腕を広げて飛行機ごっこをして遊んだそれと似た感覚である。何も考えず、走る。天気も良ければ、気持ちも軽くなる。

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しかし、ロードを走っていてもどこか調子が悪くなるバイクである。オフロードを走れば、必ず誰かのバイクをいじることになる。先頭を添乗員の乗ったバイクが先導するが、添乗員も道が分かっているわけではない。道の分岐点では後続のサポートカーを待つ。その時は必ず調子の悪いバイクをメンテナンスすることになる。

走り出して分かったのだが8人でダートを走ると、当然一番ペースの遅い人に合わせて走りことになる。ロードで80kmぐらいの速度ならば、バイクの技量の差は出てこない。上のような平坦なダートであれば、舗装道路と大して変わらない。しかし、細いガレた道になると経験の差が極端に出てくる。オフロードでは、走り慣れている人と普段ロードしか乗っていない人の差は歴然としている。

自分はオフロードからバイクに入った。飛ばすのは苦手だが、林道を走るのは好きだ。オフロードバイクではカーブで後輪がズルっと滑ることは当たり前だが、ロードバイクで後輪が滑ると怖い。ロードの経験しかないと、ダートのカーブではこの感覚の延長で相当減速することになる。したがって、オフロードで経験に差のある者が団体で走る時は、車間距離を空けないと危ない。これが走り始めてから分かってきた。

砂利の深い狭い道を走っている時、前のメンバーがハンドルを取られ、スタックして横にごろんとバイクを寝かせてしまった。後に続く者はそのまま行くと道が狭いので前のバイクに乗り上げてしまう。あわてて道の外によけた。前を走っていたものも止まって、何人かが駆けつけて倒れたバイクを助け起こした。自分も急ブレーキをかけて止まったが、砂利の深いところで身動きができず腕を組んで見ているだけだった。ダートでは自分のペースで楽しみながら走るのが一番いい。スロットルを開けたいが、ここはゆっくり景色を楽しみながら走ることにしよう。

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上は、年賀状の写真撮影のために一人ずつ間隔を空けて走行している様子である。いかに早く走っているように見せるか、砂埃の立ちやすいところで撮った写真である。これでも相当スロットルを開けて目いっぱいの走りをしている。後ろのバイクは、もう一回撮り直すために出発地点に戻るメンバーである。ネタばらしが一緒に写ってしまったので、年賀状には不採用となった。しかし、こうやって遊んでいると楽しいぞ。




by chukocb400sb | 2019-02-15 05:06 | 2 敦煌からウルムチ | Comments(0)

この旅行記は、シルクロードを西安からベネツィアまでレンタル・オートバイのパックツアーを乗り継ぎ、17年かけて走ってきた記録である。


by 山田 英司